| A-2 | 睡眠時無呼吸症候群における事象関連電位の特徴について |
| 1)順天堂大学精神医学講座、2)睡眠呼吸障害クリニック、3)国立療養所鳥取病院 | |
| ○井上雄一1)、新井平伊1) 、難波一義2)、高橋康郎2) 、 高田耕吉3)、坂本泉3) | |
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目的: 近年睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome: SAS )において,精神作業能力障害が生じることが知られ、これに関連した事象関連電位(P300)の異常についていくつかの報告がなされているが、これと本症病態との関連ならびに治療後の変化についての定見は得られていない。そこで今回我々は、SAS患者に対しこれらの点に関する系統的な検討を行った。 対象と方法: 脳血管障害がなく、かつ中枢神経作用性の薬剤を服用していないSAS患者22名(男性:女性=19:3,平均年齢44.3±7.9歳)を対象とした。これらの対象者に対し、polysomnography と異なる日にmultiple sleep latency test (MSLT)を行い、14時の同検査直前にodd ball課題によるP300検査を施行し、健常対照者20名(男性:女性=18:2、平均年齢43.4±5.8歳)での所見と比較した。対象SAS患者の平均無呼吸低呼吸指数(AHI)は46.2±16.1/時間であった。またnasal CPAP治療を施行した15症例については、本治療によりAHIが10未満に低下したことを確認した上で治療開始後8週間以上経過した時点で上記の検査を再度行い、治療前との比較をなした。 結果: 対象SAS患者においては、健常対照者に比べてP300潜時が有意に長く、その値は夜間動脈血酸素飽和度(SaO2)90%以下の時間の総睡眠時間に対する割合と正の相関を示した。しかし、AHI、MSLT潜時、睡眠構築指標との一定の相関は認められなかった。なおP300振幅に関しては、両群間に一定の差違はみられなかった。Nasal CPAP治療後には、SaO2下降は抑制されMSLTの値も正常化していたが、P300潜時の有意な改善はみられなかった。 考察: 以上よりSAS患者では、Sangalらの報告と同様P300潜時の異常が生じる可能性があることが確認され、その値は、眠気の程度とではなく夜間SaO2下降度と相関する可能性があるものと推測された。また、P300潜時の異常は、治療により有意な改善がみられないことから、不可逆化している可能性があるものと考えられた。 | |