B-19 睡眠日誌からみた妊娠末期から出産後における母親の睡眠・覚醒パターンの変化
1)東亜大学大学院、2)九州大学医療短期大学部、3)島根県立看護短期大学、4)愛和病院
◯新小田 春美1)2)、松本 一弥1)、姜 旻廷1)、三島 みどり3)、上田 たか子4)
目的: 本研究では、初産婦および経産婦の妊娠末期から分娩後15週間にわたって連続記録した母親の睡眠日誌を解析した。

方法: 対象者は、初産婦14名、経産婦12名、計26名(年齢29.0±3.5才)を対象とした。全ての母親は正常な妊娠経過の満期産であり、経膣分娩25名、帝切1名であった。22名の母親は母乳哺育であり、3名は混合乳(経産1名、初産2名)、残り1名は人工乳であった。全ての母親は、夜間時の授乳に全て責任をもっていた。各母親には、本調査開始前にインフォームドコンセントをえた。母親達には、妊娠33週から産後15週までの期間の睡眠日誌(睡眠習慣、生活行動、心身自覚症状等を含む)とともに、一部(8名)の母親には彼女の乳児の睡眠日誌を毎日記入することを指示した。本研究では、母親の睡眠日誌のみの結果を解析した。26名の母親からは、延べ3,801日のデータが得られた。各母親の睡眠・覚醒行動は、妊娠期および産後とも週毎の平均と標準偏差を求めた。初・経産婦と妊娠・出産後経過週(経過週)を独立変数に、睡眠パラメーターを従属変数とする2元配置分散分析およびNewman-Keulsのpost Hoc testを行った。

結果: 夜間の全睡眠時間(TST)、睡眠効率(SEI)、中途覚醒時間(WASO)には、いずれも経過週(TST; F=12.9,df=21, p<0.001, SEI; F=16.2, p<0.001, WASO; F=23.3, p<0.001)および初・経産と経過週の交互作用(TST; F=2.1, df=21, p<0.004, SEI; F=2.5, p<0.001, WASO; F=2.4, p<0.001)に有意な効果が認められた。TSTは、出産後1〜7週にかけて全睡眠時間は著しく短縮し、またWASOは顕著に増加したが、その後両者とも徐々に回復傾向がみられた。両パラメータとも妊娠33週に比して、出産後11週まで有意な短縮が認められた。とくに、初産婦群のWASOは、経産婦群より出産後2週〜6週にかけて有意に増加していた。初産婦群のTSTは、経産婦群より妊娠末期の週でやや延長していたが、出産後は全ての週で経産婦群より短縮傾向にあった。出産後1〜6週目のSEIの減少は、とくに初産婦群で著しいが、その後は、初・経産婦群とも徐々に回復傾向を示した。SEIは、産前33週に比して、出産後1〜8週で有意な差が認められた。入眠潜時は、妊娠末期に比して出産後の全ての週で有意に短縮していた(F=10.0, p<0.001)。昼寝時間は経過週( F=5.6, p<0.001)と両者の交互作用( F=1.6, p<0.05)に有意な効果があり、出産後2〜3週で有意に多くなるが、その後徐々に少なくなった。出産後の初産婦群の昼寝は、経産婦群よりやや多い傾向がみられた。

まとめ: 以上の結果から、出産後8週頃までの夜間における睡眠時間は、初・経産婦とも短縮したが、とくに初産婦で著しく、その後、両者の差は小さくなり、その乱れも徐々に少くなった。出産後12週頃には、初・経産婦ともほぼ妊娠末期の睡眠に近づくものと推測された。
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