B-2 セロトニンは逆説睡眠の調節因子だろうか。
1)福島県立医科大学医学部生理学第二講座、2)クロードベルナール大学実験医学講座
◯小山純正1)、高橋和巳1)、香山雪彦1)、酒井一弥2)
多くの研究により、セロトニンやノルアドレナリンは、脳幹の逆説睡眠発現系に作用して逆説睡眠の抑制系として働くと考えられている。しかし、我々は、脳幹で逆説睡眠の発現に直接的に関与していると考えられるニューロンに対するモノアミン類の作用を調べたところ、必ずしもこの説に一致しないような知見を得た。

外背側被蓋核(LDT)やその周辺には、逆説睡眠時に特異的に活動上昇を示すニューロン(PS-onニューロン)が存在する。これらは、アセチルコリン作動性と非アセチルコリン作動性とに区分される。無麻酔下で頭部のみを拘束した状態のネコ、ラットからPS-onニューロンの活動を記録し、電気泳動法によりそれらのニューロンにセロトニン、ノルアドレナリンを投与したときの作用を比較した。

ラットでは、セロトニン、ノルアドレナリンともACh作動性、非ACh作動性PS-onニューロンに対して顕著な抑制作用を示した。これに対して、ネコでは、5HT、NAともACh作動性のPS-onニューロンに対しては効果がなく、NAは非アセチルコリン作動性のPS-onニューロンに抑制性に作用した。

以上の結果から、逆説睡眠調節に関して、ラットでは従来考えられているように、5HT、NAとも抑制系として作用するが、ネコでは、脳幹においてはセロトニンの作用は従来考えられているほど顕著ではなく、ノルアドレナリンの作用が大きいと考えられる。

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